アクセサリーは 要りません

3昼ーSide惠美里

「いただきます」

しまった。今まで家族と女友達以外と2人でお茶をしに行くことがなかったから、お互いの味見とか半分ずつと言って両方を楽しんでいた。今回も何も考えず山口先生が抹茶系にしたから、私はいちごにして両方楽しめるなって。それに、コロナでしばらくお茶ってできていなかったから、そう言うシェアもずいぶん前だ。やっぱりシェアはダメだろうな、残念。

「お皿お待たせしました」

「え?」

「味見したいんでしょ?
顔に書いてある」

そう言って山口先生は、食べる前のスプーンで、自分のかき氷をお皿に乗せて渡してくれた。私もざくっと氷にスプーンを入れてお皿に。ピスタチオのエスプーマやいちごと桜の塩漬け、中の方もいちごも入れて渡した。

「ごめん、俺のグチャグチャ」

「大丈夫です、
私のもきれいではないし、
食べたら一緒です。
先生の方のから頂きますね。

あ、大人ですね、

あ、美味しい。
うーん、お茶の苦さとラムの甘さが
美味しい、うん、大人ですね」
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