アクセサリーは 要りません

4午後ーSide伊吹

今まで付き合ってきた人たちにも、聞かれれば答えるけれど、自分からペラペラと喋る方じゃなかった。実家でだって、特に俺が喋らなくても、母さんや姉貴が喋るからそれで良かったし。

なのに今日はなんでこんなにカミングアウトしてんだ?中高大の女関係の話なんて、同僚にするか?訳分からん。

とりあえず、立つ時に離れた手をもう1度つないで歩き始めた。この間実家に行ったときに母さんが言っていた「若い女の子もいっぱい来ていたけれど、私も紛れて入ったら楽しかった」って言っていた店が確かこの辺り。

「ここだ」

と言って暖簾をくぐった。
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