バーチャル彼氏
私はてっきり、最初から向日葵はこういう性格なのだと思っていた。


優しくて、頭がよくて、物覚えもいい。


そんな向日葵しか、見たことがない。


「そんな完璧な人間なんていないもの。向日葵だって多少の裏表はあるの。裏を見せてくれるようになったって考えれば、2人関係は順調よ」


そう言い、私の肩をポンッと叩いて部屋を出るお姉ちゃん。


向日葵の、裏――。


『2人の関係は順調よ』


その言葉に、一瞬ポッと頬が染まる。


「なに、照れてんの?」


「べ……つに!」


否定したけれど、向日葵はクスクスと笑う。


「泉、顔に出すぎ」


「えっ?」


「ほら、真っ赤」


そう言い、私の頬に手を伸ばす。


ドキン――!!
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