バーチャル彼氏
告白
「はぁ~」


ため息は幸を逃がすというけれど、それが本当なら私はどれだけの幸を逃がしているのだろうか。


青空が憎たらしいなんて事、生まれて始めてだ。


「泉、ため息ばっかり、どうしたの?」


学校へ行く途中の通学路。


桃子に声をかけられて、私は立ち止まった。


「おはよう」


と、死にそうな声で返事をして、肩を落として歩く。


まさか、向日葵があんなドSで俺様な奴だとは思わなかった。


っていうか、完璧二重人格、だよね!?


「伊藤エマとなんかあった?」


「え? あぁ、そんな事もあったっけ……」


正直、エマのことなんてすでに忘れ去っていた。


そんな自分にハハハと乾いた笑い声を上げて、そして再びため息。


すると、前方に見慣れた顔の男子が現れた。


「あれ? 泉?」


「瀬戸……君?」
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