バーチャル彼氏
「あいつらは一応エマの取り巻きって奴だけど、俺は違う。エマが勝手に引っ付いてきてんだよ」


はぇ……?


エマが?


勝手に?


「……うっそだぁぁ!!」


思わず、大声で全否定していた。3


だって、あの女王様がよ?


固定の彼氏は作らず、色んな男を手玉にとって利用してるエマがよ?


自分から男に声をかける必要なんてどっこにもないじゃない!!


「お前、結構ひでぇ事言うなぁ」


見ると、傷ついた顔をして私を見つめる瀬戸君がいた。


「あ、ごめんなさいっ! 私びっくりちゃって……」


「いいよ、別に」


そう言って、今度はフワリと笑う。


ドキン。


私の心臓が跳ねる。
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