バーチャル彼氏
☆☆☆

丸一日向日葵の姿を見ず、声も聞かずに過ごした。


前にも、私が向日葵に八つ当たりしちゃって、会わなくなったときがあった。


今回は、ちょっと違う。


自分の正直な気もちとしては、今すぐに向日葵に会いたい。


話したい。


だけど、できない。


瀬戸君とのことがあるから――。


ほぅ……。


と深いため息を吐き出し、教室の窓辺で風を浴びる。


グラウンドではサッカー部が練習に励んでいて、キラキラと光って見えた。


「いいなぁ……」


好きな事を名一杯頑張っているときの姿って、すごく輝いていると思う。


それに、文句のつけようがないほど、カッコイイ。


「なぁに見とれてんの?」


後ろからヒョッコリ顔を覗かせる桃子。
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