バーチャル彼氏
「っていうか、向日葵は?」
突然出たその名前に、心臓がわしづかみにされる。
向日葵は、鍵のかかった暗い引き出しの中。
昨日からずっと、引き出しを開けてない。
「しばらく、お休み」
「は? なんで?」
驚いたように目を見開くお姉ちゃん。
飲みかけのウーロン茶が、コップの中で揺らいだ。
「なんか、はまっちゃいそうで怖いんだよね」
これは、嘘じゃない。
前回の時もそうだった。
八つ当たりもしたけど、ハマってしまう事も怖かった。
そして、何より。
ハマリすぎて、向日葵を消去される事を恐れたんだ。
「そう……。でも、時々は顔を見せてあげなさいよ」
お姉ちゃんはそれだけ言って、自分の部屋へと戻って行った――。
突然出たその名前に、心臓がわしづかみにされる。
向日葵は、鍵のかかった暗い引き出しの中。
昨日からずっと、引き出しを開けてない。
「しばらく、お休み」
「は? なんで?」
驚いたように目を見開くお姉ちゃん。
飲みかけのウーロン茶が、コップの中で揺らいだ。
「なんか、はまっちゃいそうで怖いんだよね」
これは、嘘じゃない。
前回の時もそうだった。
八つ当たりもしたけど、ハマってしまう事も怖かった。
そして、何より。
ハマリすぎて、向日葵を消去される事を恐れたんだ。
「そう……。でも、時々は顔を見せてあげなさいよ」
お姉ちゃんはそれだけ言って、自分の部屋へと戻って行った――。