バーチャル彼氏
「で、一番左、これが――」


お姉ちゃんが、最後のボタンを指差す。


「バーチャル彼氏の存在をなくしたいときのボタン。『消去』と言ってから押せば、向日葵は二度と出てこない」


え――。


「そんなボタン、普通のゲームにあったっけ……?」


「ないわよ。普通のゲームは何度でもプレイできる。ゲーム事態を抹消するような機能、ついてないわ。でも……。これはリアルなバーチャル彼氏。この映像に依存してしまう人も出てるから、後から3つ目のボタンをつけたのよ」
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