バーチャル彼氏
お勉強
部活を終えた私は一目散に家へ返った。


途中でいつも通り友達からデザートの誘いを受けたが、それを泣く泣く断り、ダッシュ。


だって、早く向日葵に会いたいんだもんっ!!


明日は土曜日で学校は休み。


バドミントンが入ったケースを肩からさげて玄関を開ける。


「ただいまぁ」


奥にいるはずの親へ声をかけ、そのまま自分の部屋へ向かった。


机の上にカバン、下にバドミントンの道具を置き、ベッドに座る。


ポケットから取り出したのは、当然バーチャル彼氏。


ドキドキする気持ちを抑えながら、私はゲームをテーブルの上に置いて起動させた。


トクン、トクン、トクン。


「こんにちは、泉」


向日葵の笑顔に、ホッと胸をなでおろす。


「今は夜だから、『こんばんは』」


「コンバンハ イミヲ オシエテ クダサイ」


「夜の挨拶」


「インプット しました」
< 27 / 163 >

この作品をシェア

pagetop