バーチャル彼氏
この会話はどう考えたってバーチャル彼氏……。


しかも、2人も!!


私は袋にはいっていた残り2つの缶詰を思い出した。


あれを同時にやっちゃうなんて、さすがお姉ちゃん。


なんて関心しつつ、どんなイケメンなのかと興味を持つ。


向日葵だって大当たりだったと思うけど、やっぱり、ねぇ?


一気に沢山のキャラクターが出てくるゲームと同じで、全員の姿を見てみたいと思うもので……。


私はそっと扉を開けた。


お姉ちゃんの後ろ姿が見えて、その向こうには強い光――。


「え?」


そこには確かに光が存在した。


でも……。


その光の中にあるはずの、男の子がいない。


「あら、泉。今日は早いのね」


「うん……」


そう返事をしながら、部屋に足を踏み入れる。
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