バーチャル彼氏
バーチャル彼氏の光の前まで来て、「どうした男の子がいないの?」と、聞いた。


「あぁ、これはまだ開発途中の『バーチャル彼氏2』なのよ」


「『バーチャル彼氏2』……?」


首を傾げる。


「泉にはまだ言ってなかったわね? このゲームを開発したのは、うちの大学サークルなのよ」


え……?


えぇ!?


驚いて目を丸くする。


「そうなの!?」


「そ。私も一応そのサークルの一員。だから、あんたにあげたバーチャル彼氏も、実はタダなのよ」


そうだったんだ……。


自分の姉がそんなすごい事に携わっていたなんて、初めて知った。


「まぁ、利益のほとんどは次のゲームのためにつぎ込んじゃってるんだけどね」


あ、そうなんだ。


こんなに人気のゲームを作ったんだから、お金持ちの一員も夢じゃないのかも。


なんて考えていた。


「これ、最初のとどう違うの?」
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