バーチャル彼氏
さすが、ちゃんとしたモデルを使って作っただけはるなぁ。


向日葵は時折瞬きをしながら、ジッと私を見ている。


でも、私は気付いてる。


会話が多くなった昨日から、向日葵は時々意味なくアゴをさする。


これって……向日葵のクセだよね?


「ねぇ、お姉ちゃん」


パフェをあらかた平らべた時、私は口を開いた。


「なに?」


「向日葵にも、ちゃんとしたモデルがいるんだよね?」


「いるわよ? バーチャル彼氏全部に、実在するモデルがいる」


「その人ってさぁ、アゴをさするのがクセだったりしない?」


私の問いかけに、お姉ちゃんは驚いたように目を丸くする。


「それは――どうかな」


「知らないの?」


聞くと、コクンと頷いたた。


「いくつかのゲームは最初から最後まで携わってたからモデル君も見たけど、向日葵はわからない」


そうなんだ……。


なんだか、ちょっとガッカリした気分になる。


「なに? ガッカリしてるの?」


お姉ちゃんに気持ちを見透かされ、私は慌てて「別にっ!」と、首を振った。


「ただ、向日葵が頻繁にアゴをさすってるからさ」
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