バーチャル彼氏
私は今にも飛びかかってくらいつきそうなほど、エマを睨む。


「フンッ……」


えまは鼻で笑うと、フイッと後ろを向き、もう興味はない。


というように去っていてしまった。


取り巻きたちも、時折振り返り、私に向けてチッ! と、舌打ちしつつ、エマと一緒に教室を出て行った。


「なんなのよ」


腹の立つ奴が出て行った後も、フーフーと鼻息の荒い私。


「まぁまぁ、落ち着いて」


桃子に言われるが、腹の虫は治まらない。


私はウインナーにガッ!!と箸をつきたて、そのまま食べた。
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