バーチャル彼氏
その中から姿を見せた4、5人の男たちにギョッと目を見開く。


「うぐぐっ? うぅぅ~っ? ふ~っがっ!?」


(なに? どうするつもり? つ~か誰!?)


「アハハ、何を言ってるのかわからないけど、こんなに沢山の男性を紹介されて嬉しいみたいね」


「ふががっ!!」


(違う!!)


「じゃ、たのしんでね」


そう言い、柄の悪い男どもにウインクし、教室へ戻っていくエマ。


「ふが~っ!! んぐぐぐぐっぐうっ!!」


(待て~っ!! 嘘つき、卑怯者!!)


ジタバタと抵抗する私を、後ろの男は簡単にヒョイッと担ぎ上げ、倉庫の中へと連れ込んだ。


その中は薄暗く、私が放りだされた場所にはマットが引かれていた。


「いやぁっ!」


と、悲鳴を上げるが、すぐに口を塞がれる。


唯一光の差し込んでいた扉は男の手によって閉められ、完全な暗闇が支配する。


やばい……。


冷や汗が背中を伝う。
< 71 / 163 >

この作品をシェア

pagetop