バーチャル彼氏
喉の渇きをうるおした私は、テーブルの上に出しっぱなしになっている買い物袋に目をつけた。


ラッキー。


なにか食べ物入ってるかも。


夕飯の準備だってもう出来ている。


カレーの匂いがさっきから食欲をそそっているんだ。


けれど、私はその袋に手をかけた。


甘いケーキの次は塩気のあるものがほしくなる。


「ポテチポテチ~」


私はポテトチップスを求めていたのだが――。


「あん?」


袋の中に入っていたのは、3つの缶詰。

なんだこりゃ?


首をかしげ、1つを取り出してみる。


缶詰の周りや蓋の部分に張られているハズの、パッケージがない。


でも、缶詰なんだから食べ物だろう。
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