Stargazer

僕は何度も一人で練習している彼女の姿を、何度も見てきた。そして、一緒に練習に付き合った。一気に距離が縮まったような気がして、すごく嬉しいんだ。いつもはほんと少ししか関われないけど、その時だけはちゃんと話せたから……。

「ねえ、エレン」

ボウッとしながらその時のことを考えていると、声をかけられる。横を見れば、近すぎる距離に彼女が微笑んで座っていた。思わず顔が赤くなってしまう。

「は、はい！どうかされましたか、ベル」

「ちょっと飲み過ぎちゃったみたいなの。一人じゃ帰れなさそうで……。支えてもらっていい？」

「だ、大丈夫ですよ！」

リーダーに帰ることを伝え、ベルを支えて立ち上がる。ベルが体重をかけてくるけど、男と違って全然軽い。その軽さに驚きながらレストランの外を出ると、星が綺麗に輝いていた。

「風が気持ちいいわ」

ベルがそう言いながら夜空を見上げる。春の南の夜空にはとびうお座が見える。星のロマンチックな神話、勉強しておくべきだったかな……。