Stargazer

大学で私が学んだのは天文学だった。先生が星をあの時見せてくれたから、星に興味が出て、将来は星に関する仕事がしたいと思ったんだ。

大学でしっかり勉強し、卒業したらプラネタリウムで働くことが決まった。そのプラネタリウムがあるのは、先生のいる街だ。

街に引っ越してすぐ、この街には星の名所と呼ばれる場所があることを知った。そして、そこに毎晩現れる男性がいるというのも聞いた。先生だ……！

夏の夜、私は何も持たずに星の名所である丘へと走る。夏の風は生ぬるくて、汗が浮き出てくる。それでも、先生に会える喜びから、足は止まらなかった。

「先生……！」

丘の上には、望遠鏡を片手に夜空を見上げる先生の姿があった。あの頃と全然変わっていない。何の星座を見ているのか、そんなもの聞かれなくてもわかってる。変わっていないことが嬉しくて、人生で初めて嬉しくて泣いた。

「ローズマリーなのか？」

先生が驚いたように私を見る。私は泣きながら何度も頷いた。