異国の地での濃密一夜。〜スパダリホテル王は身籠り妻への溺愛が止まらない〜
プロローグ
「真緒、俺の腕の中でたくさん君の可愛らしいのに妖艶な声を聞かせて」
私の上で艶やかな黒髪をゆすりながらワイシャツのボタンを一つずつ外していく。彼の高級そうなスーツの下にはこんなにも鍛え上げられた身体が隠されていたなんて……
額に、頬に、鼻に、唇で一度深く口づけを交わし、次は首筋、鎖骨、胸の間に、そして滑るように下へ行きチュッと音を立てながらお腹へとたくさんのキスを落とされ、恥ずかしさで身を捩る。
「総介さん……は、恥ずかしいです」
「真緒、その仕草が逆に男を奮い立たせてしまうんだよ。可愛すぎて止められない。真緒の全部を見せて」
「総介さん……」
バチリと熱い視線が絡み合う。下腹部から私を見つめる彼の目は優しいだけじゃなく視線だけで獲物を捉えてしまうような雄の目をしていた。
スルリと足首から上へと撫でられゾクリと不思議な感覚が背筋を走る。カクンと膝が曲げられ彼が私の足の先にも口づけをした。
「やっ、そんな所汚いですからやめて下さいっ」
「真緒の全部を見せてくれと言っただろう。可愛い真緒も、俺の下で淫らによがる真緒も、全てをこの目で見たいんだ」
熱く、情熱的な瞳で見つめられて、どうしていいのか分からない。自分から食べてくださいと言っておきながら今更初めてだなんて言ったら引かれてしまうだろうか……
雄の目をしていても彼はやっぱり余裕のある大人の男性だ。優しい手つきで火照った私の身体をまるで楽器の手入れをしているように優しく、優しく愛撫する。
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