異国の地での濃密一夜。〜スパダリホテル王は身籠り妻への溺愛が止まらない〜
「君はキスをしただけで、そんなにも可愛い声を鳴らすんだな。……もっと真緒の可愛い声を聞かせて」

 彼女の艷やかで綺麗な黒髪を留めていたバレッタを外しテーブルの上に置いた。サラリと解けた髪からはほのかに甘い匂いが香る。シャンプーの匂いだろうか、爽やかな甘みのある香りは凄く俺の好みな匂いだ。彼女の足の間に腕を滑り込ませ横抱きしたままベットへとゆっくりと下ろし背をつける。上から見下ろす彼女は可愛いよりも綺麗という言葉が合っていた。白い肌はほんのり赤く染まり、潤んだ瞳が真っ直ぐに俺を捉える。艶やかな黒髪を梳くように撫でると嬉しそうに目を細めて俺の手の温もりを感じてくれているように見えてしまう。


「真緒」


 ゆっくりと顔を近づけ距離を縮める。年甲斐もなく指が少し震えている。俺は緊張しているのだろうか。
 重ねた唇はとても柔らかかった。隙間から入り込むと俺を受け入れてくれたのか絡みつく舌からは力が抜け柔らかみが更に増した。いやらしい、水音を含んだキス。息をするのも勿体無いくらい、隙なく何度も何度も繰り返した。
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