異国の地での濃密一夜。〜スパダリホテル王は身籠り妻への溺愛が止まらない〜
「真緒! 今までで一番良かった! しっかりとメロディーラインで前に出てきてたし、哀愁だだよう感じが良かったね。なんか一皮剥けたってかんじかなでもあとは最後の音程かな、少し低かった」


「ひ、低かったですよね……」


 一皮剥けた……それが音となり、指揮者に褒められて嬉しい反面やっぱり音程が低くなった所を突かれてまだまだ自分は頑張らなくてはと気合いが入った。


「はい、じゃあ今日はここまで。お疲れ様でした」


 楽団全員が起立し、団長の挨拶と共に指揮者にお礼をして解散になる。私は楽器をバラして水分を拭き取り綺麗に掃除を始めた。演奏後のアフターケアも楽器には大切な事だ。
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