異国の地での濃密一夜。〜スパダリホテル王は身籠り妻への溺愛が止まらない〜
たまに話尽きて車内は静黙になるがそれもそれで良かった。窓の外の変わりゆく景色を楽しみながらボーッとしても全く嫌な空気感にならない。総介さんの隣は私にとって本当に心地良い場所だと嫌というほど再確認させられる。
(再確認しちゃダメなのに……今日だけなんだから。今日が終わったらきちんとお断りしなくちゃ……)
膝の上に置いていた両手にグッと力が入る。好き、総介さんの気持ちも本当は嬉しくてどうしようもないくらいなのに、だからこそ彼からの好意を断るのだ。上手く彼を傷つけないように断れるだろうか、傷つけないよう断りたいだなんて、私はただの偽善者だ。もしこのまま……なんて事は考えちゃいけない。考えた所で悲しむ人がいる事は確かだ。病弱な母だ、ようやく軽くなった病状が悪化し卒倒する可能性もなくは無い。
(再確認しちゃダメなのに……今日だけなんだから。今日が終わったらきちんとお断りしなくちゃ……)
膝の上に置いていた両手にグッと力が入る。好き、総介さんの気持ちも本当は嬉しくてどうしようもないくらいなのに、だからこそ彼からの好意を断るのだ。上手く彼を傷つけないように断れるだろうか、傷つけないよう断りたいだなんて、私はただの偽善者だ。もしこのまま……なんて事は考えちゃいけない。考えた所で悲しむ人がいる事は確かだ。病弱な母だ、ようやく軽くなった病状が悪化し卒倒する可能性もなくは無い。