眠り王子の専属抱き枕になりました!?
「!?」

「よ~まくら。俺の専属抱き枕になってくれる気になった?」

「・・・忘れ物。」

相変わらずだるそうな綿星くんにぶっきらぼうに返して窓際の自分の机まで歩いていくと背中に彼の視線を感じる。

「もしかしてこれ?」

振り返ると綿星くんは私の定期入れを持っていた。どうして彼が持っているのだろう・・・と思ったけれど、聞く気にならずにうなずき綿星くんに近づき定期入れに手を伸ばすと、その手を掴まれて素早く抱きしめられた。立ったまま、座っている彼の方に抱き寄せられた形だ。
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