眠り王子の専属抱き枕になりました!?
『キイイイン!』

どうしたものかと考えあぐねていると突如壁に取り付けられたスピーカーから高音が響き、綿星くんの体がわずかに動いたのでその隙に思いきって彼から離れる。『失礼しました。』と放送部員が謝る声が聞こえる。

「わ、私、塾・・・。」

「あぁ、ごめん。ありがと。すげー気持ちよい眠りだった。元気になれそう!」

確かにだるそうだった先程とはうってかわって活力がみなぎっていた。爽やかな笑顔に思わず見とれてしまう。

綿星くんてなんだかずるい。イケメンだからとかじゃなくて、人の心を惹き付ける何かがあって、ついついそれにほだされてしまう。
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