眠り王子の専属抱き枕になりました!?
「私、獣医になりたいんだ。だから授業も塾も家庭教師も通信教育も頑張ってるつもりなのに、全然駄目で。」

口に出した途端、なんで綿星くんにこんな話をしてしまったのだろうと後悔する。恥ずかしいし、彼だってこんなことを言われたところで返答に困るだけだろう。

「か、帰る。」

そう言って今度こそ踵を返して歩き出そうとしたら、綿星くんが急に立ち上がった。

「どうして獣医になりたいの?」

「!?そ、それは・・・。」

───どうしよう。こんな理由言ったら絶対に引かれる。でも私は綿星くんのことが好きなわけでもないし、別に引かれてもいいかな。

私は心を決めて彼の方に向き直った。
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