眠り王子の専属抱き枕になりました!?
『こんな話信じられないだろうけど・・・。』と前置きをすると、間髪入れずに『信じるよ。』と返ってきて面食らいつつ話し始める。

「・・・私、子供の頃毎日悪夢を見てたんだ・・・基本的に夜だったんだけど、お昼寝で見る時もあった。5歳の時保育園でお昼寝してて、ものすごく怖い夢を見て泣きながら目が覚めたの。そしたら枕元に不思議な動物・・・の子供がいた。驚いてると『だいじょうぶ。ぼくがこわい夢をたべてあげるよ。』って言って・・・。」

不安になり言葉を切るが、綿星くんは真剣に話を聞いてくれていた。

「・・・私の頭の近くでもぐもぐ口を動かしてたの。でもそのうち苦しみだして・・・慌てて先生に言いに行っても、『それは“ばく“って言うのよ。夢で見たのね。』って。その子はそこにいるのに先生には見えてないみたいだった。」

あの時のことを思い出して少し声が震えてしまう。
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