眠り王子の専属抱き枕になりました!?
一応、綿星くんがどこかに触れてくることも覚悟してはいた。いくら彼でも高校生男子だ。そういうことを考えることもあるだろう。

しかし一向にそのようなことが起こることはなかった。私が女性として魅力が無さ過ぎるからなのだろう。

茉莉香ちゃん始めクラスメイトの女子達は勉強をしっかりしつつもおしゃれにも余念がない。プチプラコスメの情報交換をしたり、トイレで先生にバレない程度にメイクをしたりしているのを眩しく思っていた。

そうだよね、私なんて女子力ないし、綿星くんもそんな風に見てないんだろうな・・・と納得しつつも何だか少し寂しかった。

リップクリームがなくなりドラッグストアに買いに行った時、色つきのリップクリームが目に入った。見た目が姫っぽい可愛いデザインで値段も手頃だ。控えめなピンク色のものもあって『これくらいなら自然でいいかも。』と手に取ると、『キスしたくなるぷるぷるリップに!』と書かれていて慌てて戻し、いつものシンプルデザインの透明リップを手にレジに向かった。
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