眠り王子の専属抱き枕になりました!?
小さい頃あのバクに会ってから悪夢を見るのは週に一度ほどになった。それでも『今夜は悪夢を見るんじゃないか』という恐怖で眠るのが怖かった。でも綿星くんに抱きしめられて眠ると、もう一度見たいくらいの楽しくて幸せな夢しか見なかったばかりか、起きると体がふわっと軽くなったように感じるくらいだったのだ。そしてその日の夜、家で眠りについても決して悪夢は見なかった。

彼と交わす『おやすみ。』はまるで遊園地に入場する時に『さぁ、行こう!』とでも言うような、わくわくする希望に満ちた言葉だった。恐怖しか感じていなかった夢の世界が彼と眠ると笑顔がいっぱいのテーマパークになったのだ。
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