眠り王子の専属抱き枕になりました!?
*****

大学入試の二次試験の日。綿星くんが会場まで送ってくれた。憧れの大学の門の前に立つと緊張で震えてくる。

───4月、絶対にこの門をここの学生としてくぐりたい。その為に3年間ずっと頑張ってきた。出来ることは全てやったはずだ。でも・・・。

不安を拭いきれず全身を強張らせる私に綿星くんが『手、出して。』と言った。

『なんだろう?』と思いつつその通りにすると、透明と優しいピンクとパープルのゆめかわカラーのガラス玉がついたネックレスを手のひらに乗せてくれた。

「お守り。全部出しきってこい。絶対受かるから。」

彼にそう言われると自信がみなぎってくるようだった。ネックレスを握りしめ『ありがとう。いってきます。』と言う自分が笑顔なのが自分でもわかった。
< 43 / 73 >

この作品をシェア

pagetop