眠り王子の専属抱き枕になりました!?
綿星くんは回復すると彼の姿を見た病院スタッフや近所の人達の記憶を消し、人間の姿になった。夢うつつな夜ではなく意識がはっきりしている昼間に複数の人が何日にも渡って彼の姿を見ているからだ。

そして今後は人間になった彼と関わった人達の記憶を消す必要はない。なぜなら綿星くんは残りの一生を人間として過ごすからだ。

獏史上初だというその権利を得る為に、私の悪夢よりも毒性が強い夢を食べて危険な状態になっていたという。伝説の動物である彼をどうやって治療していいのかわからなかったけれど、無我夢中で全力を尽くした。彼が目を覚ました時には涙と声が枯れるほど泣いた。
< 68 / 73 >

この作品をシェア

pagetop