眠り王子の専属抱き枕になりました!?
───私も記憶はなかったものの心のどこかでまた綿星くんに会いたいと願っていたのかもしれない。でも・・・。

「バカだよ、綿星くん・・・その為に危険なこと・・・。」

その後は泣いてしまって言葉にならなかった。

「咲穂が怖い夢を見てももう食べられないけど、こうやって側にいて抱きしめることならいくらでも出来るから。」

「うん・・・。」

顔面を胸に押しつけるように強く抱きしめられ、鼻腔内が綿星くんの匂いで満たされる。見た目は大人になっていても匂いと温もりは高校生の頃のままで、懐かしさと愛おしさに浸るととても心地がよかった。
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