クールな社長は政略結婚したウブな妻を包容愛で満たす
「何事なの?朝っぱらから煩くて眠れない…。」
大きな欠伸をしながら、客間から理江が出て来た。
「金子…。」
昨夜、深夜になっていきなり理江が主寝室に入って来た。
もしも和優が来てくれたら…と、
柊哉がいつも寝室に鍵をかけていないのを知っていたのだろうか。
彼がベットに入ろうとしていた時に、急にドアを開けて入って来たのだ。
理江は濃い赤の夜着で柊哉の前に立つと、肩ひもをずらして脱ごうとした。
『何をしてる!』
『何って、あなたも独り寝は淋しいでしょ。慰めてあげようと思って。』
『バカな…さっさと出ていてくれ!』
理江を部屋の外に押しやろうとしたら、抱きつくように身体を押し付けられる。
『奥さんと寝て無いんでしょ。
アタシが変わりにあなたの子供産んであげようか?』
その言葉は、酷く柊哉を傷つけた。
『出て行け!』
昨夜は乱れたままの理江を、寝室から追い出したのだが…。