クールな社長は政略結婚したウブな妻を包容愛で満たす
「なら、二人はどうしようって言うんだい?」
「お時間をください。」
「時間?」
「和優は、今やっと自分の力で歩き始めたんです。」
「…どういう事だ。」
「高遠社長…いや、お義父さん。和優は長い間、あなたの作った豪華な鳥籠の中で
何不自由なく暮らしてきました。」
「それの何がいけないんだい?」
「いけない訳では…ただ、それが彼女の望みだったでしょうか?」
「私が…間違っていたとでも?」
「いいえ。私も同じようにしてしまいましたから。」
「本間君…。」
「自分の目の届くところにいてくれるだけで安心でした。
でも、彼女は自分の力で生きる事を選んだんです。」
「なら、別れるのか?」
「いえ…だからお時間を頂きたいのです。」