クールな社長は政略結婚したウブな妻を包容愛で満たす
『お久しぶりです。篠塚麻美です。』
「ああ、麻美さん。ご無沙汰して申し訳ありません。」
『お仕事中にごめんなさい。どうしても気になって。』
「何かありましたか?」
『和優さんのお店…大丈夫かしら?』
「店が…どうかしましたか?」
『工事の途中で、この台風続きでしょ。』
「和優の店にも被害が?」
『ニュースで見たの。あっちは風が物凄いらしいから気になって…。』
「連絡ありがとうございます。こちらで確認してからご連絡します。」
『ありがとう。よろしくね!』
篠塚夫妻にも別居しているとは伝えていない。
麻美の和優を心配する声が、かえって柊哉を苦しめた。
『こんな時こそ、俺が側にいてやらなくては…。』