クールな社長は政略結婚したウブな妻を包容愛で満たす
その先にあるもの
たて続けの台風被害で、和優と水口夫妻の店も工事が途中で止まっていた。
店舗の改修工事どころではないくらい、工事関係者は大忙しだ。
千葉県内のあちこちで家屋に大きな被害が出ていたのだ。
「今度こそ無事に台風が通り過ぎてくれたらいいんだけど…。」
和優の店には、水口夫妻と涼真が自然と集まっていた。
少しでも被害を少なくしようと、周囲を板で覆ったり、
工事道具が風で飛ばないように四人で片付けている。
「この前が酷かったからなあ…。」
「今夜くらいが、風のピークらしいぜ。」
「今のうちに片付けて、さっさと家に帰りましょう。」
昼のニュースでは、雨は酷くは無さそうだが風はかなり吹きそうな予報だ。
昨日と今日の午前中にかなり片付けたから、もう大丈夫だろう。
そろそろ新店舗の戸締りをしようかと思っていたら、
店の前に大きな車が止まった。
彼の愛車。大きな白い北欧の車だ。