クールな社長は政略結婚したウブな妻を包容愛で満たす

 和優と友梨亜は、幼稚園から大学まで同じ学校で育った。
そこは、同じような裕福な家庭の令嬢が多く在学している女の園だ。

親兄弟が仕事の関係で繋がっている事が多々あり、
交友関係は狭くなるので、何処に行っても顔見知りに出会う確率は高い。
良い面もあれば悪い面もあるのだが、今回は、その悪い面のようだ。

「私達が例の(・・)場所で騒いでいる所を、有名なクラブのママが見たんですって。
 ご丁寧にあなたの旦那様や宏輔にチクったのよ。」

「そう…。」
「そうって、それだけ?」

「だって、私はゆりちゃんみたいに叱られてないもの。」

「いいな~、理解ある旦那様で…。」

それを理解と言うのだろうか。無視ではないか。

和優は、運ばれてきたオードブルを無言で頂く。

「近頃、宏輔は冷たいの。何かあるとすぐ文句言って来るし…。」
「ゆりちゃんの事、心配してるんじゃあないの?」

「そうかなあ…。」



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