クールな社長は政略結婚したウブな妻を包容愛で満たす
メインの白身魚のポアレを食べていると、また友梨亜が爆弾発言をしてきた。
「ねえ、和優は本間さんと結婚する前に誰か好きな人いなかった?」
「どうしたの、急に…。」
「チョッとね。和優の結婚相手に本間さん以外の候補者がいたのかなって思って。」
「別に…。私が学生時代、誰とも付き合ってなかったって知ってるじゃない。」
「そうだけど…。もしかしておじさま、宏輔も和優の候補にしてたんじゃない?」
「まさか!」
「カレ、和優の事、いつもすっごく気に掛けてるもの。」
「遠い親戚だし、危なっかしい妹みたいなんじゃない?」
「そうかなあ…。和優が結婚してから、宏輔変わっちゃったからなあ。」
「ゆりちゃん、考えすぎよ。」
そこからは、お互い無意識のうちに話題を変えてお喋りした。
友梨亜も二度と、自分の恋人と和優の関係を疑う発言はしなかった。
デザートを食べると早々に、二人は別れた。後味が悪いのは気のせいだろうか。
レビューを見た高揚感は、すっかり和優から消えていた。