クールな社長は政略結婚したウブな妻を包容愛で満たす
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翌日は朝から良く晴れていた。10月らしい秋晴れの空が広がっている。
和優は結局、一泊で何処へ行くのか柊哉や小西から知らされないままだ。
ただ泊りがけでも大丈夫な荷物の準備だけをしていた。
『サプライズでも無さそうだし、何か理由があるのかしら…』
そんな事を考えていたら、8時を過ぎた頃、松濤の家に柊哉が車でやって来た。
北欧のメーカーの比較的大きな白いSUV車だった。
『いつもはこんな大きな車を何処に置いているんだろう?』
松濤の家には、時々和優が運転するセダンが一台あるだけだ。
和優は疑問に感じたのだが、柊哉に尋ねるのは遠慮してしまった。
『他の女の人の家かもしれないし…聞いてもきっと返事は無いわ。』
彼の答えは、いつも通り『無言』だと感じたからだ。
「おはようございます…。」
「おはよう、もう出かけられるか?」
「はい…。でも、何処へ?」
「知人の所だ。甲府の近くまで行く。」