クールな社長は政略結婚したウブな妻を包容愛で満たす
新婚だからごゆっくりと気を遣われて、
無理矢理に篠塚夫妻から離れに押し込められた二人は戸惑った。
同じ空間で、一緒に長時間過ごした事が無いのだから無理もない。
「とりあえず、風呂の準備を…。俺がしようか?」
単にスイッチを押すだけだろうに、『和優には無理だろう』とでも言いたげだ。
柊哉がバスルームの準備に行こうとした。
「私だって…それくらい出来ますわ。」
誰に向かってでもなく、ポツリと和優は囁いた。
「え?」
「柊哉さん、お先にシャワーをどうぞ。私は後からにしますので。」
長距離を運転した上にアルコールを飲んで疲れが増したのだろう、
少し酔っている柊哉は風呂よりシャワーにした方がよさそうだ。