クールな社長は政略結婚したウブな妻を包容愛で満たす
バスルームで心を静めてから和室に戻ると、柊哉はダブルベットの上に座り
膝の上にノートパソコンを置いて仕事をしている様だった。
邪魔になってはと思い、和優はまた座椅子に座って窓の外を眺める事にした。
たいした時間座っていた訳ではないが、
窓際は冷えたのだろう。小さなくしゃみが出てしまった。
『いけない、お邪魔したかしら。』
寝室の方を見たら、柊哉がパソコンを置いてこっちへ歩いてくるところだった。
「ごめんなさい、気が散ったかしら。」
「そんなところにいたら風邪をひくぞ。」
彼は和優を立たせると、寝室の方へ抱きかかえるようにして引っ張って行く。
「日本家屋は冷えるんだ。ほら、こんなに冷たいじゃあないか。」
柊哉の声は、本当に和優を心配しているように聞こえた。