クールな社長は政略結婚したウブな妻を包容愛で満たす
柊哉は和優を後ろからかかえるようにして、ダブルベットに横たわった。
片手だけで器用に二人の身体にすっぽりと羽布団を掛けると、
まるで巣の中で卵を抱えている親鳥の様に和優を温める。
「こうしていたらすぐに…暖かくなる。」
和優は緊張して声も出ない。突然、柊哉に抱擁されたのだ。
いや、彼はそんなつもりは無いのかもしれない。
遭難した人間を温めている感覚なのだろう。
和優はされるがままだった。
暫く無言で、二人は身体を寄せ合っていた。
『あの熱さに包まれている…。』
それは、ついさっき想像しても得られなかった感覚だ。
硬い胸が和優の背と密着している。
和優の首筋に、時折、彼の息がかかる。
そして、後ろから回された柊哉の逞しい腕。
すっぽりと和優の身体を包み込む手。
それが、いつの間にかやわやわと和優の胸に触れていた。
そっと、パジャマの上から包み込むように両手で触れている。
和優は夜の下着は付けないから、
夫の手は布越しとはいえ和優の膨らみを感じているはずだ。
握り込めば潰れてしまう、柔らかなお菓子を手にするように。
その先に未知の蕾があるのを知ってか知らずか、じらすように。
「嫌か…?」