ふんわり王子と甘い恋♡
いつも一緒にいる2人だけど、付き合ってはない。
友達だから、大丈夫、全然平気。
だってあずりん先輩は、フワリくんと付き合うなんてありえないって、笑い飛ばした。
その言葉に嘘はないって、信じられる言い方だった。
だから絶対、あずりん先輩は嘘をついていない。
「……」
雨の中傘もささずに裏庭を走るフワリくんとあずりん先輩は、奥にある倉庫のドアを開けた。
中へ入っていった2人の姿はもう見えない。
なに、やっているんだろう……
しばらくして出て来た2人は、細長い木の棒を2本、持っている。
体育祭の、何かに使うのかな。
倉庫から出て、木の棒を持ち先に歩き出したのはあずりん先輩。
後ろのフワリくんは、倉庫のドアを閉め、鍵を掛けている。
そのあと、あずりん先輩に追いついたフワリくんは、あずりん先輩の手の中の重そうな棒を取りあげた。
2つともフワリくんが持ってあげて、あずりん先輩は手ぶら。