ふんわり王子と甘い恋♡
「フワリくんが……」
「フワリくん?」
「……裏庭に」
「え、どこ?あ、いた」
「…、」
「……」
黙りこむミネも、見てしまったのかな。
あずりん先輩を女の子扱いしているフワリくんを、見て、しまったんだ。
「え。フワリくん、なんで」
「ほんと、なんでって感じだよね…」
「……ちょっと」
「も、早退したい……」
「ちょっとなな、なんで!?フワリくん、こっち見てる!」
「……そんなわけないよ」
慰めなんていらない。
気休めなんて、いらない……
「嘘じゃないって、見て!」
「えー……」
ミネに無理矢理顔を横向きにされて、しぶしぶ裏庭を見た。
「…、」
「……」
見てた、気が、する、けど……。
私が見たのは、前を歩くあずりん先輩に呼ばれて、フワリくんが歩き出した瞬間で。
歩き出す直前、一瞬目が合ったような気はするけど。
でも、見てたって、言いきれないくらい一瞬……