ふんわり王子と甘い恋♡



「フワリくんが……」

「フワリくん?」

「……裏庭に」

「え、どこ?あ、いた」

「…、」

「……」



黙りこむミネも、見てしまったのかな。


あずりん先輩を女の子扱いしているフワリくんを、見て、しまったんだ。



「え。フワリくん、なんで」

「ほんと、なんでって感じだよね…」

「……ちょっと」

「も、早退したい……」

「ちょっとなな、なんで!?フワリくん、こっち見てる!」

「……そんなわけないよ」



慰めなんていらない。


気休めなんて、いらない……



「嘘じゃないって、見て!」

「えー……」



ミネに無理矢理顔を横向きにされて、しぶしぶ裏庭を見た。




「…、」


「……」




見てた、気が、する、けど……。


私が見たのは、前を歩くあずりん先輩に呼ばれて、フワリくんが歩き出した瞬間で。


歩き出す直前、一瞬目が合ったような気はするけど。



でも、見てたって、言いきれないくらい一瞬……


< 114 / 638 >

この作品をシェア

pagetop