ふんわり王子と甘い恋♡



「伊集院、私って真面目よねっ?」

「え……。」

「あはは、こっちは返答に困ってる!」



雑用係は、なんだかんだ仲睦まじくなってきた。



「もー、やんなっちゃうこの子たちっ」



ブツブツ文句を言いながらも、あずりん先輩は楽しそう。


みんなの盛り上げ役っていうか、いつも輪の中心にいる。


あずりん先輩が戻ってきてから、教室の中が一気に明るくなったし。


フワリくんも、あずりん先輩のそういうところに惹かれたのかな。



「わ、私トイレ行ってきます!」

「あ、逃げる気かコンニャロー」

「あー、私もトイレ行くー」



トイレへ逃げていったヨッコを追って、スー先輩も行ってしまった。


残された私は……あずりん先輩と、2人きり。



フワリくんの好きな人、かもしれない人。


実際どうなのか、知りたい……けど、怖いから知りたくない。



「それさぁ、自分でつけたの?」

「え?」



視線を向けた隣には、ミサンガを真剣に編むあずりん先輩がいる。



「そのミサンガ、自分でつけた?」

「あ、……いや……」

「誰かにつけてもらったの?」

「………は、い」



顔が熱くなってしまった私を、あずりん先輩が手を止めて見た。


や、ばい……なんか色々バレそうで……ヤバイ……


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