ふんわり王子と甘い恋♡
「そーんな顔しないでよっ!」
バシッと叩かれた肩が痛くて、思いのほかよろめいた。
あずりん先輩……力、強い。
「こういうとこだよね、女らしくないの」
「……、」
あずりん先輩が笑うから、私も笑うしかできない。
「……いいん、ですか……?」
子供の私にはわらかない。
好きな人が、ましてや彼氏が、他に気になる子ができるなんて。
仕方ないのかもしれないけど……
そういうこともあるのかもしれないけど。
でも、このまま黙って身を引くなんて……
「瞬くんてさ、優しいんだよね」
「……」
「他に気になる子が出来たって、ひどい男みたいに聞こえるけど……隠さずに、ちゃんと正直に言ってくれた」
「、…」
「そういう優しさっていうの?確かにショックだったけど……やっぱこの人好きになって良かったなーって、そう思えたんだよね」
全然、想像もしていなかった。
あずりん先輩が、悲しい恋をしていたなんて……
「でね。優しい人の周りには、優しい人が集まるんだよ」
「え?」
「仲良いんだよねー……瞬くんと、すぐる」
突然出て来たフワリくんの名前に、心臓がドキリと動く。