ふんわり王子と甘い恋♡
「佐伯は?学食」
「いやいい。私もう衣装戻んなきゃだし」
「つーかお前衣装とっとと終わらせて旗手伝えや、まじで」
「やだよ、旗なんて男ばっかで暑苦しい。可愛い子が多い衣装のほうが断然いいね」
「おやじかよ」
そっか、3年生が自然にここに集まってきたのは、あずりん先輩がいるからだ。
あずりん先輩は、いつも輪の中心にいる。
男女関係なく、真ん中にいる。
それはきっと、みんながあずりん先輩のことを好きだから。
一緒にいて、楽しいから……
「高橋ー、悪いんだけど私もう衣装戻んなきゃなの。すぐる来るまでここで待っててあげてくれる?」
「え、…」
「ん?大ちゃん来んの?ここに?」
「そう、私の彼女迎えにくんの、ここに」
「彼女って」
「なに?文句ある?高橋は私の彼女なんだからあんたら指一本触れんじゃねぇぞ」
まるで彼女を守る彼氏のように、あずりん先輩は背中に私を隠した。
いつかこの人に……本気で恋をしそうな自分がいるのはなぜだろう。