ふんわり王子と甘い恋♡
雄介先輩から取り上げたのは、会社説明会で配られたと思われるお知らせのチラシ。
キュッキュとマジックの音を響かせて、あずりん先輩は壁を下敷きになにかを書いていく。
【すぐるくん。高橋が学食にさらわれたから助けに行ってあげてね♡】
「……。」
書いた文字に、3年生は大爆笑。
私はどうやら、学食に行くのが決定らしい……。
「よし」
あずりん先輩が、書いたチラシを壁に貼り付けた。
「んじゃあんたら、指一本触れんじゃねぇぞ」
「はいはい。俺は触れないけど、まぁヤマ辺りはどうかな」
「さ、雑用ちゃん。お兄さんと一緒にアイスでも食べようねー?」
「、…!?」
さりげなく肩に回った山本先輩の手に、体は硬直。
山本先輩の耳についてる沢山のピアスが間近に見えて……やっぱり怖い。
「菊、すぐるが来るまで徹底的にヤマから私の彼女を遠ざけろ!絶対命令だ!」
「なんで俺だよ」
「絶対だかんな!」
その後、あずりん先輩は何度も3年男子に触るなと忠告しながら衣装係へ戻って行った。
私は一体、このあとどうなるのでしょうか……。