ふんわり王子と甘い恋♡
だって目の前に置かれたけど、これは私に対してのおみやげなのか、自信が持てない。
だからじっと見て固まってたんだけど、そのコーヒー牛乳が突然、視界から消えた。
行方を追うと、消えたコーヒー牛乳は隣に座るフワリくんの手の中にあって、
袋からストローを取り出し、穴にプスッと刺している。
「ん。」
飲め、というように、差し出されたコーヒー牛乳。
フワリくんの前には、よく見たら自分用のコーヒー牛乳も置いてある。
私のために買って来てくれたとわかったそれを、受け取った。
「あ、りがとう……ござい、マス。」
「うん。」
チョコパンを片手にコーヒー牛乳を飲んだら、冷たくて美味しかった。
あの日、フワリくんに渡せなかったコーヒー牛乳は、ぬるくて切なくて悲しくて、全然美味しくなかったのに。
フワリくんに貰ったこれは、世界中のどんな飲み物よりも、絶対に美味しい……
気持ち1つで、こんなに味が変わるんだ……