ふんわり王子と甘い恋♡
「もうちょっと休憩したかったのになー」
「ほんと、マジ休んだ気しねー」
ゾロゾロと学食を出る先輩たちの後ろを、私も着いて歩いた。
あれ……でも私、このあとどうすればいいんだろう。
雑用係はみんな衣装係の手伝いに行ってるから、3年生の教室には誰もいない。
私も衣装、手伝いに行ったほうがいい?
旗も遅れてるみたいだけど……
旗って男子ばっかりだから、1人だけで手伝いは、ちょっと。
「だいじょーぶ?」
「……あ、ハイ」
1番後ろをノロノロと歩く私を、振り向いたフワリくんが笑って待っていてくれた。
胸の奥がきゅぅんってなるのは、フワリくんの優しさのせい。
あの日見た、一目惚れをした横顔が、今はこんなに近くにある……
それはまるで奇跡のようで……
生まれて初めての本気の恋が、少しだけ私に味方をしてくれたみたいな気がした。