ふんわり王子と甘い恋♡



初めてフワリくんを見た日、フワリくんは渡り廊下から空を見上げていた。


お昼休みの日差しが入ってくる渡り廊下は、空を見るには眩しいはずなのに、


フワリくんは陽の光を浴びながら、青い空を見上げてた。


行き交う人たちが私の視界から一気に消えて、私の目には、空を見上げるフワリくんの横顔だけしか映らなかった。


優しそうな横顔の、名前も知らなかったその人と、


私はいま、渡り廊下を歩いているんだ。



「仕方ないから、1年になんか買ってってやるかな」

「お、やっさしー」



購買の前で食べ物を物色しだした山本先輩は、やっぱり優しい。


ちゃんと後輩のことも考えてくれてるんだって、1年生として嬉しくなった。



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