ふんわり王子と甘い恋♡



「雑用ちゃんもなんか食う?さっきの雄介にほとんど食べられたでしょ」

「え、いや……大丈夫ですっ」

「つーか買ってやるんならヤマじゃなくて食った雄介だろ」

「菊~、俺いま金欠なんだって」

「いや、あの……ほんとに、」

「あの現場、佐伯いたら雄介ぜってぇタダじゃすまなかったよ」

「うげっ、確かに……。」



コーヒー牛乳を握って隣のフワリくんをチラっと見ると、フワリくんが可笑しそうに笑ってた。


真っ直ぐ前に向き直ったって、フワリくんの白いシャツがチラチラ視界に入ってくるから私の心臓は忙しい……



「……?」



そんなとき、どこかからこっちを見てくる視線を感じて、フワリくんがいるのとは逆の方に視線を向けた。


少し離れたところに、こっちを見て口をポカンと開けているパネル係のもゆぴーと聡美を発見。


私がフワリくんと一緒にいるこの状況に、私以上に驚いた顔をしている2人……


目が合うと、声は出さずに「大丈夫?」と聞いてきた。


だから私は苦笑いで、小さく頷く。


それ以上のなにかを伝えることは、この状況では無理。


それを悟って、『頑張れ!』と小さくガッツポーズをくれた2人に、感謝……



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